B型肝炎発症

B型肝炎発症

B型肝炎発症のメカニズム

B型肝炎発症のメカニズム 一般的にB型肝炎ウイルス(HBV)自体がB型肝炎を引き起こしていると思われていますが、B型肝炎発症の詳しいメカニズムは次の通りです。
まず、B型肝炎ウイルスが肝細胞に侵入して寄生しますと、身体の免疫機能はウイルスを異物と認識します。ウイルスを異物と認識した免疫機能は、体内から排除しようとウイルスを攻撃します。しかし、免疫機能はウイルスが寄生している肝細胞ごと攻撃する為、肝細胞が炎症を起こしてしまうのです。これがB型肝炎発症の基本的なメカニズムです。
従って、最初にB型肝炎ウイルスが体内に侵入した時に免疫系が上手く機能すれば、B型肝炎ウイルスに感染することはありません。しかし、何らかの要因で感染した場合は、肝細胞に侵入したB型肝炎ウイルス量が少なければ免疫系が叩く肝細胞も少ないために肝細胞は炎症を起こさず肝炎にはなりません。

肝細胞に侵入したB型肝炎ウイルス量が多ければ、免疫系が叩く肝細胞も多くなる しかし、肝細胞に侵入したB型肝炎ウイルス量が多ければ、免疫系が叩く肝細胞も多くなるために肝細胞は炎症を起こしてしまいます。そして、この状況が一気に加速した状態が劇症肝炎なのです。

免疫系とウイルスのせめぎ合い

免疫系とウイルスのせめぎ合い つまり、B型肝炎発症のメカニズムは、常に、免疫系とウイルスのせめぎ合いなのです。肝細胞に侵入したB型肝炎ウイルスは通常は免疫系に押さえられていますが、そのバランスが崩れるとB型肝炎ウイルスが一気に増殖し肝炎発症となるのです。バランスが崩れる要因は様々ですが、他の疾病に対する投薬が原因になる場合や過労が重なった場合などが考えられます。

乳幼児が母子感染などでB型肝炎ウイルスに感染 一方、乳幼児が母子感染などでB型肝炎ウイルスに感染した場合は、成人と異なる反応を示します。乳幼児の免疫系は未完成のため、B型肝炎ウイルスが肝細胞に侵入しても免疫系は働きません。従って、B型肝炎ウイルスは排除されずに肝細胞に住み着きます。しかし、免疫系が働きませんから発症することも無い訳です。

母子感染の乳幼児の場合つまり、母子感染の乳幼児の場合は、殆どがキャリアーの状態で成長していきます。そして、20歳代~30歳代に達すると、免疫機能が完成しますから免疫系とウイルスの平和共存関係が崩れB型肝炎を発症することになります。