B型肝炎キャリアと持続感染とは?

B型肝炎キャリアと持続感染とは?

キャリアーと持続感染

キャリアーと持続感染 一般的にキャリアーと持続感染は同じ意味です。しかし、B型肝炎では少し違うニュアンスで使われています。B型肝炎に於けるキャリアーとは過去にB型肝炎ウイルスに感染しましたが未だ発症していない状態で、体内のウイルス量も少なく他人に感染させる危険性も殆ど無い状態を意味します。つまり、B型肝炎ウイルスマーカーで言い換えれば、HBs抗原は陽性ですがHBc抗体は低値で陰性と認められる場合です。

持続感染はB型肝炎ウイルスに感染した後 一方、持続感染はB型肝炎ウイルスに感染した後に発症したか発症していなくとも、体内のウイルス量が一定のレベル以上の状態を意味します。従って、今後も発症する危険性はありますし、他人に感染する恐れもある状態です。
つまり、B型肝炎ウイルスマーカーで言い換えれば、HBs抗原は陽性でHBc抗体は高値で陽性と認められる場合です。また、HBe抗原陽性であれば血中や体内のウイルス量が多く、感染力が高いことを示しています。

一口にB型肝炎感染者と言っても、その状態には大きな違いがあります 従って、一口にB型肝炎感染者と言っても、その状態には大きな違いがあります。また、その状態は時間の経過や加齢と共に変化していきますから厄介なのです。
そこで、B型肝炎感染者にとって大事なことは、定期的な血液検査を欠かさずウイルスマーカーとウイルス量の変化を追い続けることです。と言っても自覚症状が無い場合は、年に2回の血液検査で十分です。また、他の疾患で投薬を受ける場合は、B型肝炎や免疫系への影響を考慮する必要があります。

ウイルス量がポイント

ウイルス量がポイント B型肝炎感染者にとって大事なことはウイルス量の変化を追い続けることだと述べましたが、ウイルス量の変化によって発症や他の人への感染力が決定するからです。
一方、B型肝炎ウイルスマーカーだけでは落とし穴になる場合があります。例えば、B型肝炎感染者で稀にHBs抗原が陰性になる場合や、B型肝炎が劇症肝炎に進んだ場合にHBs抗原が消失している場合があるのです。HBs抗原の抗原決定領域に変異があるためと考えられています。

HBc抗体は低値で陰性 従って、HBc抗体は低値で陰性だから発症することも無ければ、感染力も無いと安心していると突然、発症することも有るのです。