B型肝炎ワクチンとは?

B型肝炎ワクチンとは?

B型肝炎ワクチンの仕組み

B型肝炎ワクチンの仕組み 肝炎にはA型・B型・C型・D型・E型の5つのタイプがありますが、ワクチンがあるのはA型とB型だけです。C型肝炎の場合はウイルスの変異のスピードが早いため、ワクチンを打っても意味が無いのです。また、他の肝炎も様々な理由でワクチンを作ることはできません。

B型肝炎ワクチンは1981年に開発 一方、B型肝炎ワクチンは1981年に開発されています。しかし、我が国にHBs抗原検査が導入されB型肝炎ウイルス検査が一般的に広がり始めたのが1982年ですから、検査が一般的に浸透するまでに相当の時間を要しワクチンが普及するのは暫く後になってからです。しかし、B型肝炎は一度感染すると非常に厄介な病気です。感染しても発症せず抗体もできて安心していると数十年後に発症することもあり、発症や重症化のパターンに個人差が大きいからです。

B型肝炎ワクチンが最も確実な方法 従って、B型肝炎を完全に押さえ込むには、B型肝炎ワクチンが最も確実な方法と言えます。

我が国のB型肝炎ワクチン接種パターン

我が国のB型肝炎ワクチン接種パターン 現在、我が国ではB型肝炎ワクチンは任意接種となっていますが、妊婦の場合は母子感染予防の観点から血液検査が100%実施され陽性の場合は新生児にワクチンが投与されます。従って、妊娠中の血液検査でB型肝炎キャリアーであることが解かると母子感染予防策が取られ、出産後、子供にB型肝炎ワクチンが保険適用で接種される訳です。
まず、新生児には生まれてから48時間以内にB型肝炎免疫グロブリンを注射します。B型肝炎免疫グロブリンはB型肝炎ウイルスが体内に侵入した場合、直ちにウイルスを中和して発症しない様にする薬剤です。医療現場で誤って感染者の血液に触れた場合などにも使われます。
その後、2ヶ月~5ヶ月後に2回目のワクチン注射を打ち、生後6ヶ月で3回目のワクチンを打つことになります。そして、新生児に免疫ができているかが調べられます。
また、母子感染が疑われるケース以外の任意接種の場合は、我が国ではB型肝炎ワクチンは3度の接種が必要と考えられており、ワクチンの接種スケジュールを医師が示してくれます。現在のワクチンの効果は10年~20年前後と言われていますから、十分な免疫を獲得するには新生児の場合は生後2~3ヶ月にワクチンを接種し10歳~15歳で追加接種するパターンとなります。そして、ヒブや小児用肺炎球菌やロタワクチンなどとの同時接種も含めて、担当医師と相談してスケジュールを立てることが必要です。
また、成人がB型肝炎ワクチンを接種する場合は、医師と相談して3度の接種スケジュールを立てることになります。

海外のB型肝炎ワクチン接種パターン

海外のB型肝炎ワクチン接種パターン 現在、B型肝炎ワクチンについては、世界的に2つの考え方に分かれています。
1つは欧米の研究者の考え方で、B型肝炎ワクチンを接種するとワクチンの効果は一生持続するという考え方です。従って、B型肝炎ワクチンを一度接種すれば、後は何もする必要はありません。
一方、日本の研究者の考え方は、一度のB型肝炎ワクチン接種では不十分だというもので、現在のワクチンの効果は10年~20年前後と考えられています。従って、一般的には3度のワクチン接種が必要と言われています。
この様にワクチン接種に対して考え方が分かれているのは、臨床データが未だ不十分だからです。B型肝炎ワクチンが開発されたのが1981年で、1982年に我が国にHBs抗原検査が導入されました。従って、臨床データは30年分も無いのが現状ですから、ワクチン接種パターンの論争にピリオドが打たれるのはもう少し先になります。