B型肝炎の母子感染父子感染とは?

B型肝炎の母子感染父子感染とは?

B型肝炎の経粘膜感染とは?

B型肝炎の経粘膜感染とは? B型肝炎の経粘膜感染には母子感染や性行為などによる感染が考えられ、B型肝炎の感染原因の殆どを占めています。
経粘膜感染とは粘膜と粘膜が接触することによる感染を意味します。つまり、B型肝炎ウイルスは感染者の血液に含まれていますが、血液中から粘膜にはB型肝炎ウイルスが染み出ていると考えられています。

母子感染に於いては、新生児がB型肝炎ウイルス感染者の母親の産道を通過する際に粘膜と粘膜が接触することによって感染します そして、母子感染に於いては、新生児がB型肝炎ウイルス感染者の母親の産道を通過する際に粘膜と粘膜が接触することによって感染します。また、ディープキスや性行為によっても、粘膜と粘膜が接触することによって感染する訳です。
1986年からは「HBV母子感染防止事業」として妊婦検診に於ける検査が実施され母子感染防止策が取られていますから、母子間感染(垂直感染)は殆ど見られなくなっています。
一方、性行為よる感染は対策が当事者に委ねられていますから、現在も増え続けています。
現在、約2万人が毎年新たにB型肝炎ウイルスに感染していますが、その殆どは性行為による感染と見られています。
一方、一昔前までは父子感染が有り得ると思われていました。父子感染とは感染者の父親から日常生活の中で子供に感染することを意味します。つまり、日常生活の中の、食器やタオルによる感染や風呂からの感染などです。しかし、現在では、これらの日常生活の中での感染は殆ど有り得ないことが確認されています。

日常生活に於ける父子感染は有り得ないということが世界的な常識 つまり、日常生活に於ける父子感染は有り得ないということが世界的な常識となっています。このことは1986年からの「HBV母子感染防止事業」によってB型肝炎感染者の母親からの母子間感染(垂直感染)は殆ど見られなくなり、それ以降、感染者が居る家庭での二次感染の例が殆ど見られないことで証明されています。
従って、B型肝炎訴訟に於いても、父子感染は無いという前提で和解交渉が行われています。
この父子感染は無いという前提は、長い間のB型肝炎に対する偏見を和らげています。
以前はB型肝炎は父子感染すると思われていたため、B型肝炎感染者に対する偏見が存在したことも事実です。例えば、タオルや食器を別にすることや、温泉での入浴を別にするなどの偏見が存在しました。これらの偏見はエイズなどの経粘膜感染の病気でも同様でした。
しかし、現在では母子感染は無くなり、父子感染は有り得ないことが一般的に認知されてきました。また、夫婦間感染についても、対策を実行すれば感染を防ぐことができます。

B型肝炎の経皮的感染とは?

B型肝炎の経皮的感染とは? B型肝炎の経皮的感染とは、輸血や不適切な医療行為や消毒の不十分な針などの使い回しによってウイルスに感染することを意味します。
我が国では国が主導して古くから集団予防接種が行われてきました。伝染病やウイルス性の感染症に対しては、集団予防接種が成果を上げてきたことは事実です。しかし、B型肝炎に於いては、集団予防接種の注射針や注射筒の使い回しによって多くの人がB型肝炎ウイルスに感染しました。B型肝炎ウイルスは比較的、感染力の強いウイルスで、B型肝炎ウイルスの感染者に使った注射針を次の患者に使うことでウイルスが感染することが解かっています。また、B型肝炎ウイルスの感染者に使った注射針を注射筒に入れることにより、注射筒にウイルスが拡散することになります。
厚生労働省は古くからこの危険性を認知していましたが具体的な対策を講じたのは1988年以降で、1988年以降は集団予防接種の注射針や注射筒の使い回しも行わなくなりました。

輸血や不適切な医療行為によるB型肝炎の経皮的感染 従って、輸血や不適切な医療行為によるB型肝炎の経皮的感染は少なくとも1988年以降は減っている筈ですが、消毒の不十分な針などの使い回しによる感染の危険性は解決されていません。例えば、刺青の時に使用される針や、覚せい剤や麻薬の使用で使われる針です。
特に、違法行為である覚せい剤や麻薬の使用で使われる針については、野放し状態であることは否定できません。
そのことが、B型肝炎やエイズや他のウイルス性感染症の蔓延の原因の1つになっているのです。