B型肝炎から肝硬変

B型肝炎から肝硬変

B型肝炎の恐怖の死のトレンド

B型肝炎の恐怖の死のトレンド B型肝炎が厄介な病気と言われる所以は、B型肝炎の感染や潜伏期間や発症や予後が人によって様々なパターンがあることです。勿論、全体の70%~80%の大部分の感染者が辿る道筋は明らかになっていますが、残りの20%~30%の感染者が辿る道筋は一筋縄ではありません。
つまり、非常に例外的な道筋を辿る感染者も少なくないのです。また、最近はB型肝炎ウイルスが変異して抗ウイルス薬が効かなくなり、「耐性ウイルス」によって肝炎が再発する例も増えています。

B型肝炎が怖い病気 そして、B型肝炎が怖い病気と言われる所以は、B型肝炎が長い年月を掛けて急性B型肝炎⇒慢性B型肝炎⇒肝硬変⇒肝細胞癌⇒肝不全と恐怖の死のトレンドを辿るところにあります。つまり、一寸した油断や不注意や不運によってウイルスに感染した患者が、やがて死を迎えなければならない構図はエイズもB型肝炎も同じなのです。
只、エイズのセンセーショナルな症状に比べてB型肝炎の症状が最初は比較的穏やかなのと、B型肝炎の悪化のトレンドが数十年掛けてゆっくり進行する点が違うだけのことです。

肝硬変

肝硬変 肝硬変は慢性の肝臓障害によって、肝細胞が死滅減少して線維化し肝臓が硬く変化して肝機能が著しく落ちた状態を意味します。もともと、肝臓は非常にタフな臓器ですから心臓マヒの様に急停止することはありませんが、肝硬変は長年の肝機能障害によって肝臓が疲れ果てた状態と言えます。

肝硬変の原因 肝硬変の原因は、ウイルス性肝炎やアルコール性肝障害・原発性胆汁性肝硬変・原発性硬化性胆肝炎などがあります。つまり、肝硬変の原因はウイルス性肝炎と酒の飲み過ぎと肝臓そのものの病気に大別されます。
現在、我が国には約40万人の肝硬変患者がいますが、C型肝炎からの肝硬変が60%・B型肝炎からの肝硬変が15%・アルコール性肝硬変が12%と言われています。
従って、B型肝炎からの肝硬変患者は約6万人程度と考えられます。
肝硬変の初期症状は急性肝炎と同じですが、重症化すると下肢の浮腫や腹水による腹部の膨満・肝性脳症による意識障害・食道静脈瘤などが特長的です。また、顔色がドス黒くなるのも肝硬変患者の特長と言えます。
そして、肝硬変の検査は、血清アルブミン濃度や総ビリルビン濃度や肝臓の線維化マーカーで見ることができます。更に、CTや超音波診断装置による診断や肝臓組織を直接採取して調べる「肝生検」があります。

現在の医療レベルでは肝硬変の治療は進行をなるべく食い止めることしかありません 現在の医療レベルでは肝硬変の治療は進行をなるべく食い止めることしかありません。肝硬変に侵された肝臓を再生することはできないのです。
そして、最後に残された唯一の手段は肝臓移植です。米国では脳死肝臓移植が一般的ですが、我が国に於いては生体肝移植が一般的です。しかし、生体肝移植の医療費は少なくとも1,000万円は掛かりますから、誰もが受けられる治療法ではありません。